システムダイナミクス

システムダイナミクス

システムダイナミクスは、例えば人の性格や製品の機能、イベント内容といった個々の特性等の詳細情報を無視し、複雑なシステムを生成する非常に抽象度が高いモデリング方法と言えます。このような抽象的なモデルは、長期的な戦略モデリングに良く使用されています。例えば、携帯電話会社が新しい料金プランを分析する場合、個々の顧客の詳細な情報は必要なく、必要最低限の依存関係(競合、契約率、解約率及び料金等)を設定することで新しいデータプランのアイデアが成功するか否かをシミュレートし分析することができます。

グローバルシステムの振る舞いをモデル化

Marketing and market share

ビジネスや研究分野でみられる複雑な依存関係を、システムダイナミクスで表現し理解することは非常に効果的であることが証明されています。変化の影響を理解し、可能性を定量的にテストし、分析します。

ビジネス分野では、生産性に影響を与える従業員のモラルやブランド認知への広告宣伝効果など、多くの依存関係があります。原因と結果は、しばしば長期間にわたる測定後でしか発見できない場合があります。これは、コンピュータシミュレーションがその能力を発揮する場所でもあります。


フィードバックループがシステムダイナミクスの基本概念

広告宣伝効果やブランド認知などの依存関係は、フィードバックループと呼ばれるループとして表現されることがよくあります。例えばマーケティングにより多くのお金を投資、それにより大きな収益の授受、さらにマーケティングに多くのお金を投資する。フィードバックループは、システムダイナミクスの基本概念と言えます。

Feedback loops

システムダイナミクスで現実世界をモデリングするには、ストック(例えば、材料、知識、人、金)、ストックのフロー、およびフィードバックループを記述し因果関係を表します。システムのダイナミクスは、単一のイベントを考慮せず、ポリシィに焦点を当てた全体像で表現します。

システムダイナミクスのモデリング

依存関係は現実世界では非線形であり、Excel等のスプレッドシートより、より強力にソフトウェアでモデル化する必要があります。数学的には、システムダイナミクスモデルは、シミュレーションエンジンで数値的に解かれる微分方程式のシステムに位置づけます。

AnyLogicによるシステムダイナミクスモデリング

AnyLogicは、多くのシステム・ダイナミクスモデル作成者が使い慣れている“stock and flow”図や配列変数(サブスクリプト)等などのフィードバック構造のシミュレーションをサポートしています。

システムダイナミクスは、いくつかの他のツールによってもサポートされていますが、何故AnyLogicを使うのでしょうか?

System Dynamics Model

AnyLogicは本質的に、システム・ダイナミクス・モデリングに対するオブジェクト指向アプローチのすべての利点を提供します。 複雑なモデルは、インタフェース変数を入力と出力としてのみ公開するオブジェクトで階層的に定義できます。

さらに、頻繁に利用されるシステム・ダイナミクス・パターンは、ライブラリ・オブジェクトとして保存され、1つのモデル内または異なるモデル間で再利用することが出来ます。

AnyLogicユーザーは、モデルのエクスポート、クラウド上でのモデルの実行、洗練されたアニメーション、および他のソフトウェアツールとの連携等の利点も利用出来ます。

エージェントベースおよびディスクリートイベントモデルとシステムダイナミクスの組み合わせ

AnyLogicは、エージェントベースやディスクリートイベントモデルを使用して開発されたモデルとシステムダイナミクスモデルとを組み合わせてモデリングを可能にした唯一のツールです。例えば、消費者市場はシステム・ダイナミクスで、サプライ・チェーンはエージェント・ベースでモデル化します。それらを組み合わせることで、消費者市場の需要がサプライチェーンを駆動する形で連携します。

別の例では、都市人口は個々のエージェントとしてモデル化し、システムダイナミクスで基本的な経済インフラストラクチャまたはバックグラウンドインフラストラクチャをモデル化し、統合することができます。

AnyLogicでは、システムダイナミクス、エージェントベース及びディスクリートイベントモデル間の連携は、非常に簡単に作成できます。

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