アパレル会社 流通センターの最適な設置場所選択にシミュレーションモデリングを利用

アパレル会社 流通センターの最適な設置場所選択にシミュレーションモデリングを利用

問題:

アメリカ最大のアパレルメーカーFOTL(Fruit of the Loom)が人気拡大しており、出荷コストの面で、物流センター(DC)を新しく新設するか、または既存の物流センターを使用していくのが有益かどうか模索していました。モデル開発者は、GISマップ上にDC位置とサプライネットワークを配置してサプライチェーン全体をシミュレートすることにしました。卸売業者を焦点に当て、ディストリビューターを顧客とみなし、このケースでは小さなパッケージやエンドユーザーは関与しません。

解決策:

エージェントベースモデリングの開発にAnyLogicシミュレーションソフトウェアが選ばれました。開発チームは、サプライチェーンのモデル化のために、下記のような独自の目標やルール、個別の行動、インタラクションポリシーを持つエージェントを対話的に定義しました。

AnyLogicの使用で、入力データ(DCの数、サプライヤの数など)を、バリエーションごとに変化させながら複数のシナリオや様々なバリエーションを簡単にテストできます。

チームは、異なるステージにおいてはシミュレーションを最適に使用するため、関連する問題に焦点合わせ、複雑なシステムを単純化し、抽象化してモデル化しました。

モデルを構築するとき、開発チームは最初に会社全体の出荷率85%を占める需要の高い場所に焦点を当てて出荷データを調べました。輸送手段はトラックと列車を使用し、顧客は年間出荷数と1顧客当たりの単価の出荷数量を考慮しました。昨年、需要がモデル入力として使用されました。

既存の輸送ルートを予測、可視化するために、チームはモデルのエージェントをその場所にリンクさせたAnyLogic GIS機能を使用しました。主要のDCはアメリカ南東部に位置し、そこから貨物は卸売業者に直接またはDC経由で配達されました。これは輸送コストが増える原因になる可能性があるため、卸売業者の配置を考慮した新しいDCの最適場所を推定したい理由です。なお、開発チームは、サプライチェーングリーンフィールド分析を実施しましたが、この実験には、サプライネットワークの最適化、設計、および分析のためのマルチメソッドソフトウェアであるanyLogistix利用しました。

シナリオ#1 には、従来のDCおよび異常値の顧客が含まれていましたが、DCから出荷された出荷コストの削減は示されませんでした。

サプライチェーンシミュレーションモデリング

シナリオ#2では、従来のDCを利用して、アメリカの東海岸と西海岸にある他のDCへルート変更で出荷しました。シナリオは42%のコスト削減の結果が出ました。

サプライチェーンコンピュータベースのモデリング

シナリオ#3では、従来のDCのネットワークで、GISの最適な場所に新設DCを増やしたところ、出荷コスト削減は32%になりました。

サプライチェーンシミュレーションソフトウェア

シナリオ#4では、従来のDCを含め、西海岸にある既存の別のDCとGISの最適な場所に新設したDC間を通るルートを変更させた結果は、サプライチェーンにおける約45%のコスト削減を示しました。

エージェントベースのシミュレーションソフトウェア

DCのモデル実行のレポートは、Excelファイルにエクスポートできます。

実験後、世界中のサプライチェーンに対応するため、以下のエージェントでモデルを拡張しました。

チームは、すべてのエージェントを考慮に入れて、世界中のサプライチェーン全体を設計し、DCを最適な場所に決定することができます。

結果:

経験に基づいて決定されたものは、データを調べることなく、偏りがある可能性があります。ビジネス知識と組み合わされたGISとAnyLogicのデータ駆動型モデルによる実験は、サプライチェーン開発に役立つことでしょう。

この場合、シミュレーションモデリングは、アメリカ全体に配置されたDCを評価し、製造とサプライチェーンの観点から経済効果を証明させる調査ツールとして利用されました。

モデル開発者は、ドラッグアンドドロップで簡単操作ができ、モデルを様々な条件にカスタマイズまたは拡張ができ、FOTL(Fruit of the Loom)の世界的なビジネスに効果をもたらすAnyLogicの使いやすさを高く評価しています。

データサイエンスマネージャーElizabeth Tyrie氏によるプロジェクトプレゼンテーション

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