米国大手製薬会社である1社は、新製品の発売戦略の開発 にBayserコンサルティング社を採用しました。 シミュレーション・モデリングは、会社、医師、患者間の相互作 用の再構築に応用しました。
問題点
新製品発売の最適なプロモーション戦略と売上高予測。特 に、消費者向け広告(DTC=Direct-to-consumer)と個人 販売の間の理想的な因果関係とは何か? 具体的な質問への対処:
- クライアントは販売受託機関(CSO)を必要とするか、必要 ならば、どのくらいの規模、期間が必要か?
- クライアントは、現行の販売計画をどう再編するべきか?
解決策
モデルに含まれる内容:
- 医師とキーオピニオンリーダー、患者、 Rep(MR)との相 互関係が、処方箋発行に至る確率にどのような影響があ るか。
- AnyLogicは、患者、医師、および代理人の相互作用と 販売の成果を可視化し、問題を理解し、かつ鋭い疑問 を生み出す優れたソフトです。
- “Analysis of Misses”機能は、売上を最大にするた めに、どのように現在のプロモーション戦略を変更する 必要があるかを敏速に伝えます。
なぜエージェントベースのモデリングなのか?
- モデル開発者は、患者、医師、および営業担当者間の相互作用や、プロモーションが時間の経過とともに彼らの行動をどのように変化させるかを分析するため、それらを別個のエンティティとしてシミュレートする必要がありました。
- グループのダイナミクスを研究するため、グループのメンバーを区別する必要がありました。 そのためには、性格特性を正規分布に従って個人に割り当てる必要がありました。
- さまざまなレベルで売上に影響を与えるプロモーション戦略をシミュレーションする必要がありました。 特に、患者が病気になってから処方薬を消費するまでの薬のライフサイクルをモデル化する必要がありました。
- 診療の仕組みをよく理解する必要がありました。医師がどのような基準で薬を選択したか、また採用を妨げた理由は何か。薬の販売を最大化するためにどのような修正措置をとることができるかです。
これらの要因を考慮する必要があるため、コンサルタントは、AnyLogicエージェントベースモデルを選択しました。
図 2. エージェント間の相互作用のタイプ
結果
プロジェクトの結果:
- 最適なプロモーション戦略の検証と様々な戦略候補の評価
- CSOに関する推奨と、それに応じた製品ポートフォリオを改良する 方法
- 薬の販売予測
- 様々な決定点と総売上げとの相互作用の理解
- アナリストが予測できなかった問題点の把握
創発的行動(Emergent behavior)
グループの創発的行動は、グループが示す振る舞いです。個人の選択は、グループの他のメンバーがする選択に影響を与えます。
アリのコロニーの最終的な採餌経路は、個々のアリが行う最初の決定によって異なります。 同様に、集団診療の振る舞いは、個々の医師の決定に依存し、それとともに進化します。
結論
AnyLogicのエージェントベースのモデリングモジュールは、次のようなプラットフォームです。
- 提起したすべての疑問や質問に答えることができるモデル作成が可能
- グループプラクティスのダイナミクスのクローズアップビューを提供しました。
- 創発的行動の研究に役立ちました。
DTC(Direct-to-consumer advertising)と対個人販売に加えて、リベートを含めたモデルに拡張することができます。