問題:
ディアジオ社は英国の多国籍アルコール飲料企業です。ディアジオ・ロシアはロシアでトップ5に入るアルコール飲料の大手卸売店の1社で、収益が顧客サービスレベルと高い物流費にとても影響を受ける、伝統的な薄利ビジネスです。ディアジオ社はコンサルタント会社Amalgama, LLCの支援を受け、売上高が増加しましたが、物流費が大きかったため、予想より大きな利益を実現出来ませんでした。ディアジオ社のその他の懸念は、増加した在庫、顧客サービスレべルと売上原価、ロシア、ウラルとシベリアへの拡張のための新しい倉庫開発の将来のプランでした。そのためにコンサルタントは、物流費を減少させる方法を示し証明し、拡張したクライアント・ネットワークのためのロジスティクス構成を選択し、さらにディアジオ社の膨大なデータを管理するためのシミュレーションベースの決定サポートシステム開発に任命されました。
ソリューション:
サプライチェーンモデルは、45のサービスグループに分類され、既存の3工場と計画中の1工場、3つの国境通過点、既存の3倉庫と計画中の5倉庫、2税関と最大300の需要点を含みます。また、サプライチェーンモデルは、補充アルゴリズム、オーダー集計アルゴリズム、荷捌き負荷及び国境通過点で遅延アルゴリズムが含まれています。6種類の倉庫における280ディアジオ製品の需要と販売予測が、モデルに組み込まれました。
シミュレーションモデルで構築されたロジックは、混載倉庫におけるサプライ・チェーンのセグメントに関する補充アルゴリズムを含んでいました。広大なロシアと比較的遅い輸送力により、中央の流通センターへの5日間のリードタイムとオリジナル流通センターへの5日間のリードタイムが考慮されました。補充アルゴリズムは、要求ダイヤグラム(計画的販売ダイヤグラム)、現在のストック、リードタイムおよび最低発注量を考慮に入れます。その後、補充用の必要条件を生成し、在庫ギャップを識別(ストックが最低のしきい値より低くなる時)し、在庫ギャップを埋める処置を講じます。
モデルの検証は、5%未満の差異を示した前年のSAP ERPシステムデータからデータを比較することから始めました。
結果:
ディアジオ社の初期値は2年未満のペイオフ期間で60%〜80%の販売予測精度が向上しました。この増加は、ディアジオ社は、目標在庫レベルを40%低減することができます。これは、単位あたり7%の物流コストを削減します。目標サービスレベルを維持するための過剰在庫数が高いため、調査ではさらなる倉庫増設の必要性がないと判断しました。
シミュレーション実行後、モデルは各製品(15日先)の在庫レベル予測、あらゆる配送料込みの製品ユニットの総コストを供給し、またサプライ・チェーンの目標ステートの最適化を実証します。
本件に関して、AnyLogicコンファレンス2013で発表のAndrey A.Malykhanov氏のプレゼンテーションをご覧ください:
