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AnyLogicシミュレーションによるコンテナヤード計画および管理システム

AnyLogicシミュレーションによるコンテナヤード計画および管理システム

問題

ロシアにある港の貨物輸送量は、2000年から2016年の間に約4倍に増加し、新規に近代的なターミナルを建設する必要性が生じました。大きな課題は、新規ターミナルの建築か、既存ターミナルの改修の選択でした。この選択は、設計前にそれらをモデル化して、検証することが大変重要で、施設の設計コスト、運用及び材料コストの大幅な削減につながります。

ノヴォロシースク港を管理する会社は既存の貿易ターミナルを拡大する計画をしており、将来的には輸送量が年間120万トン増加すると考えていました。プロジェクト実施のために、管理会社は海事コンテナヤード計画を開発するためにエンジニアリング会社(Morstroytechnologiya)に作業を依頼しました。

海上コンテナヤード計画のシミュレーションモデル

海上コンテナヤード計画のシミュレーションモデル(クリックで拡大)

コンテナターミナルのシミュレーションモデルを開発する際には、倉庫や貨物のキャパシティやスループット、ターミナル特有の特性など、ターミナルに必要なテクニカル特性(たとえば、コンテナターミナル倉庫の平均的な保管階層の数)を定める必要があります。これらのパラメータは、年間貨物取扱量に従って決定されます。

以前は、分析手法(Analytical methods/エクセル等を使用した手法)を使用して海上コンテナターミナルの計画を策定していましたが、この手法には大きな制限があります。まず、基本的な確率分布のみを採用し、出力で平均指標のみを定義します。例えば確率分布には、船舶の到着スケジュールを処理する能力は含まれていません。また、機器の故障、船舶の到着スケジュールの遅延、悪天候などのランダムな要因を考慮することはできません。第二に、輸送業務間のリソース配分を評価できないため、車両の最適な数を決定できません。したがって、船舶の到着スケジュールと積荷の量の不規則性により、倉庫内の貨物の分布が不均一になります。倉庫の在庫が増えると、ターミナル内の輸送と物流に追加の要件が課されるため、商品回収の全時間が長くなります。

コンテナターミナルシミュレーションモデリングにより、ユーザーはこれらの欠点を考慮したうえで、より正確で実行可能な計算を行うことができます。したがって、Morstroytechnologiya社はコンサルタントからコンテナターミナルシミュレーションモデルを作成するようにアドバイスを受けました。

まず第一に、コンサルタントは貨物輸送の質の高いサービスとターミナルのキャパシティの効率的な利用を調整する必要がありました。これを行うには:

これらの目的を達成するために、コンサルティング会社はAnyLogicシミュレーションモデリングを使用しました。

解決策

コンテナ港シミュレーションモデルを作成する際に、ターミナルの構造要素が指定されました。

コンサルタントはモデルに対して以下のパラメータを設定しました。

AnyLogic環境でのコンテナターミナルシミュレーションには別の利点がありました。これは、MS Excelのテーブルを使用してデータを入力することが可能な点です。これにより、単純な数値パラメータ(車両の移動速度)だけでなく、詳細なデータ構造(船の到着予定や貨物量等)を扱うことも可能になりました。

海上コンテナヤード計画モデルを使用中、専門家はいくつかの動的パラメータの変化を観察することができます。

シミュレーション結果は、グラフィック、テキスト、およびチャートの3つの形式で表示されます。時系列のグラフとヒストグラムを使用することで、視覚化しやすくなりました。結果は外部ファイルに保存することもできます。

コンテナターミナルシミュレーションモデルのパラメータ
コンテナターミナルシミュレーションモデルのパラメータ
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コンテナターミナルシミュレーションモデルの出力
コンテナターミナルシミュレーションモデルの出力
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結果

モデルを実行し、一連の実験を観察した後、専門家は次のことに成功しました。

コンテナポートシミュレータとして機能し、実際のプロセスに最もよくフィットするシミュレーションにより、ユーザーはターミナル内のオブジェクトの配置について根拠のある決定を下すことができます。モデルを実行することで、ターミナルのパススルー容量を大幅に増加させる最適な構成を選択するのに役立ち、その結果、売上高の増加とサービス品質の向上につながります。

コンテナターミナルシミュレーションは顧客の期待に応え、施設の最適化に関する多くのタスクを解決した結果、Morstroytekhnologiya社の専門家は海上ターミナルのユニバーサルモデルを設計することにしました。またこのモデルは他の種類のターミナル(液体、バルクなど)のシミュレーションを作成するための技術的基盤として使用できます。詳細な構造と程度は、特定のプロジェクトのニーズによって異なります。

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