概要:
Consolidated Contractors カンパニー(CCC)は世界ランク18位の中東最大の建設会社です。CCCは40カ国以上にオフィスとプロジェクトを抱え、13万人以上の従業員が働いています。事業は、石油・ガスプラント、製油所および石油化学施設、パイプライン、発電および淡水プラント、軽工業、上下水処理プラント、空港および港湾、重工業、ダム、貯水池および流通システム、道路網および高層ビルなど幅広く手掛けています。
CCTインターナショナル(CCT)は、1998年以来CCCの主要技術プロバイダーです。また、世界各国の顧客と建設業界のソリューションを開発し、販売しています。CCT製品には、3D BIM /プロジェクト管理環境、ドキュメントおよびコンテンツ管理ソリューション、モバイル建設管理システム、資産管理および車両管理システム、QA/QCシステム、建設プロセスシミュレーション&最適化ツールなどがあります。CCTは、ベイルート、ドバイ、カイロ、アテネ、キプロスに約65人以上のエンジニア、ソフトウェア開発者、業界の専門家を擁しています。
問題:
現場準備プロジェクト(約400万立方メートルの土壌崩壊範囲)の契約後に、顧客および地方自治体は、新しく、より限定的な下記制約課しました:
- 建設プロジェクトサイト内でのトラックの走行速度は、20kphではなく、最大10kphで走行する。
- 現場を出入りするトラックには、信号機、交差点、ロータリー、セキュリティゲートなど特定のルートに従うように指示されました。オリジナルの予測ではトラックの平均速度は40kmphでした。
- トラックのサイズ/積載量は、最大32立方メートルから15立方メートルの許容値に引き下げられました。
- トラックの走行台数は最大100台/時間に制限されています。
- 契約後にアクセスポイント4つのうち1か所だけが許可され、サイト上の交通が1つのゲートに制限されました。
- 従来の2シフト(20時間/日)のスケジュールとは対照的に、シフトなし(10時間/日)で稼働になりました。
新たな制約は、基本的にプロジェクトのスケジュールがかなり影響を受け、完了までの総コストにも影響あることを意味します。制約と複雑さで、完了までの時間と設備要件に与える影響を手作業で評価するのは非常に困難です。新たに追加した複雑な効果を、シミュレーションチームは、新しい制約の影響を定量化し、時間の延長に対してCCC社の主張を実証できるよう求められました。

解決策:
CCC社は、既に土工オペレーションのための機器と時間の要求事項予測に確立されたAnyLogicベースの土工シミュレーターを使用していました。そのシミュレーターを使用するには、複数のパラメータ入力が必要です。これには、トラックが運行ルートを移動して戻ってくると想定される平均速度を含みます。プロジェクトに新たなトラックルートが入るため、トラックの平均速度を手動で見積もることは非常に困難でした。
このように、積載されたトラックや空のトラックが同時に区域を行き来するようなモデルを作成可能なAnyLogicでシミュレーションモデルが構築されました。
建設シミュレーションモデルでは、区域を横切る合計時間に対して確率分布で各ルート区域をモデル化しました。その後、トラックはシミュレーターで毎回10,000回走り、各ルートと積載/空の組み合わせの平均速度に到達しました。
AnyLogicをCCTが選んだ理由は以下のとおりです:
- ルートとその区域のモデルを迅速に構築する。
- 地図を追加し、ルートを走行するトラックのアニメーションを表示させ、動きを視覚化し、利害関係者に説明しやすくする。
トラックルートシミュレーターから推測した平均速度は、新制約の残りの部分と一緒に土木構築シミュレーションモデルに入力されました。これらには下記が含まれます:
- 当初の見込み時間と機器要求事項においてオペレーションを完成することを示す複数のシナリオ生成に必要なトラックの積載量と1日当たりの交替勤務(就業時間)
- 作業完了までの予測時間と設備要件(時間とリソースの要件に影響を与える)。
- 提案された緩和シナリオ
結果:
トラックルートシミュレーターを使用してルートを要約し、それをアースワークシミュレーターに入力するという2段階のプロセスの結果により、CCTは新しい制約の影響を非常に迅速に定量化しました。
土木シミュレーションモデルの結果に基づき、クライアントは元の予定期間に土工作業の合計期間をさらに50%延長し、1日に2回の作業シフトを可能にすることに合意しました。これにより、当初の総契約額の18%に相当する費用が大幅に削減されました。