アメリカ大手 航空会社の追加料金案の撤回

アメリカ大手 航空会社の追加料金案の撤回

アメリカの航空業界は商業的な面において急速に発展し、労働集約的、資本集中的、競争が激しく、景気変動に影響されやすいダイナミックで、複雑化した最も多様な業界の1つです。

航空会社の経営は、非常に競争の激しい環境で、収益を増やす方法を探求しながら、機体サイズ、市場変動および燃料価格に関する長期的な判断をする必要があります。

問題点:

主な米国の航空会社は、競争、商品価格および買収統合化活動のための費用増化構造によって、既存の戦略を拡張するチャンスが制限された状況に直面していました。会社役員、ウォールストリートおよび様々なアナリストからの激しい圧力下にある航空会社は、製品あるいは既存のポリシーの変更によって新しい利益を生成可能ないくつかのオプションを調査しました。

追加料金案による収益は短期間で明白ですが、ポリシー変更の実施前に、航空会社はブランド価値、市場シェアおよび顧客ロイヤリティの長期的効果の影響を評価しました。

ソリューション:

市場シミュレーション:Sales Funnel見込み客の絞り込み

見込み客絞り込みシミュレーション

新製品またはポリシー変更後の航空チケット市場シェアおよび企業ブランドの予測をモデル化するために、PwC(プライスウォーターハウスクーパースは世界第2位を誇るプロフェッショナル・サービス・ネットワーク)が採用されました。

PwCは、従来のマーケティング・ミックス・モデルでは、航空会社の挑戦を分析することができないと分かりました。第1に、顧客は集団であり、顧客はみな同じ振る舞いをする単一の回帰方程式として表現できないと考えました。第2に、顧客がEmergent振る舞いとして知られているストーリー、姿勢および記憶等を共有するモデルの場合、従来のマーケティング・ミックス・モデルでは、消費者個々の間のインターアクションを考慮することができません。Emergenceは個人の集合体として振る舞う市場のように、個人の集合体であるグループが示す振る舞いについて記述するために使用されます。第3の制限は、典型的な市場モデルを用いた消費者の意思決定プロセスの明確な表現の不足である。アナリストは、消費者が情報を集める、情報に基づいた決定、及び現実の世界で行うように考慮すべき事柄を観察することができないでしょう。よって、従来の回帰モデルでは、非線形の関係は説明できません。データは時系列データに制限されています。また、比較的短い取引期間となります。結局、この種のモデルはほとんどの消費者行動解析には不適当です。

消費者選択 行動シミュレーション

モデルにおける消費者選択 行動リプレゼンテーション

これらの制限によりPwCが他のモデリング方法論を探す機会となり、市場におけるエージェント(例えば消費者)の挙動をモデル化するために、高い柔軟性とスケーラビリティおよび精巧な計算能力があるAnyLogic マルチメソッド シミュレーションソフトウエアを選択しました。

AnyLogicソフトウェアを利用して、PwCは経験ナビゲーター、顧客競争を含んでいた多数の航空市場のエージェントベースの消費者行動モデル、選択を行なう消費者のプロセスと、各市場におけるエコシステムを構築しました。プロジェクトは、顧客の購入振る舞いと航空会社の社会的契約への衝撃を理解するのを支援する挙動モデルを作成するために歴史上の産業データ、行動経済学法則および測定可能な経験を使用しました。

情報はモデル構築と下記キャリブレーションで使用されました:

PwC社と航空会社は、様々な要因(例:運賃の有用性、過去の経験、ロイヤリティおよび口コミ)の相互作用の動作、市場シェアの影響、市場全体の変更方法を理解することができます。


結果:

PwCの経験ナビゲーターの使用例:

最終的には、モデル結果は、長期にわたる市場シェアおよび収益の損失が大きく、追加料金請求により収益を著しく相殺することを示しました。さらに、企業が競合と同じ料金を設定する場合、この特定の航空会社の選択行動がポジティブなブランド価値および認識によるものであったため、市場シェアの損失は競合よりかなり大きくなることが予想されました。

モデルは、クライアントの航空会社の追加料金案は取り下げ、収益を上げるために代替戦略が必要であると利害関係者やウォールストリートを説得させる実質的証拠を提供しました。

AnyLogicコンファレンス2013にてPwCのマークPaichのプロジェクト紹介をご覧ください(英語):

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