エージェントベースモデリングによる災害対応アプリケーション

エージェントベースモデリングによる災害対応アプリケーション

概要:

Battelleは世界で最大規模の非営利的である独立した研究開発組織で、開発、商業化および技術移転における世界的なリーダーです。彼らは、米国エネルギー省、米国国土安全保障省および英国の国際原子力研究所の実験室を管理しています。

問題:

予期せぬ危機や自然災害に迅速かつ効果的に対応するための実用的な運用ソリューションを見つけるために、BattelleはImprovised Nuclear Deviceシナリオ(IND/簡易核兵器)で、48時間におけるシェルターの有効性をテストする必要がありました。計画された目標は、最適な緊急避難方法とシェルター配置を求めることで、避難中に受ける放射線量を削減することでした。

自然災害か人工災害かを問わず、災害をモデル化することは、多くの課題があります。例えば置かれた環境、様々な肉体的影響、及び災害が人間に与える脅威等がシナリオに加わります。さらに、事前に計画された避難戦略は、緊急時にそのまま実行されることがほとんど無く、また、不確実な人間の災害に対する反応等も考えられます。

解決策:

潜在的なシナリオを、仮想空間でテストする機能を備えていたため、災害をモデル化するシミュレーション技術が選択されました。ある状態から次の状態が一意的に定まるような決定論的モデルでは、予測不能な人間の反応や、代替案を比較して正確な答えを探す必要性のような要素を組み込むのに制限がありました。

Battelleはこれらの問題にAnyLogicソフトウェアを選択し、既に組織内の広範なプロジェクトで利用しています。

さらに、AnyLogicのエージェントベース機能により、Battelleは災害イベントの最も重要な行動を把握することができました。 緊急時の行動は、人間の行動をモデル化する重要な要素です。また、モデルによっては予期しない結果が生じることがあります。これらの問題は、エージェントベースのモデリングを使用することで把握できます。

災害対応シミュレーションフレームワーク

災害対応モデルフレームワーク

モデル・フレーム・ワークは、道路網、車両、ドライバおよび災害イベント等の環境を含んでおり、道路網はGISデータベースより、高速道路データ (スピード制限、道路の幅員)および道路レイアウトで自動的に取得して構築されました。災害の展開と刻々と変化する道路の水没や橋の破壊のようなネットワークの変更は、動的なイベントに組み込まれました。

車両数は、米国運輸局によって供給されるパラメーター・データによって管理されました。過去の災害レスポンス調査からのデータはドライバ(エージェント)の振る舞いを表現するために使用され、また、通常の状況においても道理をわきまえないドライバの大量避難中における変化も考慮されました。モデルは動的な避難ルート発見を組込み、さらに、ドライバが運転不能に陥るすべての振る舞いは、車両移動パラメーターに関連付けられました。

キャリブレーションと検証はシミュレーションモデルの妥当性を証明するための重要なステップであるため、エージェントの振る舞い変数をキャリブレーションし、過去の災害からの避難データを使用して精度目標に設定しました。過去のデータがない場合、Battelleは他の主要な交通事象からのデータや、他の災害イベントに基づく感度分析、および調査データを使用しました。

災害対応シミュレーションモデルの構造

災害対応シミュレーションモデルの構造

動的な等高線図は、区画化された領域に対する災害の影響を追跡するために使用されました。例えば予測され天候パターンに基づいてリアルタイムに、洪水レベル、火災延焼、その他汚染の広がり等を等高線で表すことができます。Improvised Nuclear Device (IND)シナリオを例にとると、2つの主要な輪郭(等高線)セットが使用されました。一つは爆発半径レベル(火球および過圧力の等高線)および崩壊分布(様々な放射性粒子タイプの空気中および陸上における放射レベル)です。

結果:

AnyLogicソフトウェアを使用して構築されたシミュレーションモデルは、簡易核兵器(IND)のための重い放射中毒の事例に加えて、放射線量の低減を実現するためにシェルターの最適な配置を示しました

モデルはまた、その他の異なる災害対策計画をテストし、いくつかの可能性の高いオプションの中から最適な対策を見つけるために、下記のモデルを生成しました。Battelleは、緊急反応エージェント、複数の介入シナリオ、互換モデルコンポーネント(同じ災害シナリオの異なる場所、または同じ場所の異なるシナリオ)を組み込んで、危機や自然災害等の様々な予期せぬ災害に対する迅速かつ効果的な対応をするための実用的な運用ソリューションを作成する目標を達成できました。

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