クラウドシミュレーションモデル実行プラットフォーム – AnyLogic Cloudリリース

AnyLogic Cloud

AnyLogic Cloudバージョン2.2.xは、AnyLogic 8で開発したシミュレーションモデルの管理と実行のための統合環境を提供します。このリリースで追加された新機能は、シミュレーションのアクセシビリティ、セキュリティ、及びパフォーマンスの向上等があります。

このブログ投稿では、シミュレーションモデルがAnyLogic Cloudによってどのように管理されているかをご紹介し、現在の2.2.2リリースまでのさまざまな新機能に焦点を当てます。

シミュレーションモデルライフサイクル

主要なシミュレーションモデルライフサイクルは、モデルの開発とモデルの使用があります:モデルライフサイクル中において、モデル開発段階で概念化とコーディングから始まり、完成すると使用段階に進みます。

使用段階では、モデルを使用した実験計画、ユーザーインターフェイスの追加、コントロールダッシュボードのセットアップ、及びモデルを他のソフトウェアアプリケーションと統合等があります。なお、WinterSim 2020で発表されたAnyLogic 9(2021年下期リリース予定)では、モデル開発と使用段階の2つのステージを統合し、シミュレーションモデルのライフサイクル全体をクラウド及びサーバー環境に移行できるようになります。

クラウドでシミュレーションモデルの実行

AnyLogic Cloudを使用すると、モデルを実行し、ウェブブラウザから直接出力を収集できます。パブリック(Software as a Service /SaaS)バージョンは、cloud.anylogic.comで誰でも無料で試すことができます。

モデルはクラウド上のコンピュータで実行され、そのアニメーションはブラウザでレンダリングされます。大規模なモデルの場合、サーバー側で計算を実行し、お客様のコンピュータの負荷を軽減できます。モデルの出力のみに関心がある場合は、アニメーションなしでできるだけ速くシミュレーションを実行できます。これを行うために、AnyLogic Cloudダッシュボードでは、ブラウザ内で実験項目を構成してクラウドで実行できます。

さらに、各実行結果はデータベースに保存されるため、以前に実行された実験(入力構成)に対して計算を繰り返す必要はありません。 AnyLogic Cloudは、高性能のコンピュータにより、複数の実行を並列処理できるスケーラブルなシステムです。これにより、Monte Carloや2nd order Monte Carlo、Parameter Variation、ReplicationsによるParameter Variationなどのマルチラン実験を高速化できます。これらの実験には多くの実行があり、クラウドの高性能コンピュータリソースを最大限利用できます。


モデルは、YouTubeビデオと同様の方法で埋め込むことができます。クラウドモデルのページでは、モデルをダウンロードしてコメントを残すことができます。

Private Cloudシミュレーションの特徴

AnyLogic Private CloudとPrivate cloud Liteは、お客様が管理しているコンピュータ基盤にインストールすることが出来ます。外部インターネットへの接続は必要なく、お客様はモデル(クラウドデータ)を自社ネットワーク内で安全に管理することが可能です。

Privateクラウド製品は、カスタムブランディング及びカスタムウェブインターフェイス用のツールを提供します。AnyLogic CloudのEnterpriseエディションでは、クラスター内に無制限の数の実行ノードが可能であり、効果的なリソース使用、負荷分散、及び冗長性を提供します。一方、Cloud Liteは、1つの強力な実行ノードにのみインストールされます。AnyLogic Private cloud は、ワンクリックで簡単にインストールできます。AnyLogic Cloud製品はGDPRに準拠しており、インストール時に暗号化されたHTTPS接続を使用するように求められます。

セットアップが完了すると、更新されたグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を介してクラウドインストールを管理できます。管理パネルには、一般的なクラウドヘルスレポート、バージョン番号、ライセンスなどが表示されます。

  • Customizationタブでは、ロゴマーク、ロゴタイプ、ファビコンを使用してダッシュボードをカスタマイズできます。
  • Services and Tasksタブには、各コンポーネントのステータスが表示されます。
  • Running Tasksにより、クラウドの負荷を監視し、使用可能な実行コアの数を確認し、オンデマンドでそれらを終了できます。
  • Nodes管理ページには、クラウド環境に関与しているノードの数が表示されます。

シミュレーションモデルの共有

クラウドプラットフォームを使用する利点の1つは、モデルを簡単に共有できることです。AnyLogic Cloudを使用すると、モデルをアップロードし、バージョンを管理し、それらを共有できます。モデルには、独自のページ、カスタムインターフェイス、またはRESTful API (JavaScript, Python)を介してウェブブラウザでアクセスできます。モデルにコメントしたり、モデルのソースファイルをローカルにダウンロードしたりすることもできます。

クラウドモデルは、さまざまな組み込みのプレゼンテーションオプションを使用できますが、データをエクセル等で後処理したり、データ視覚化ソフトウェアを利用したりする場合は、データをエクスポートすることもできます。実験は、入力データと出力データの両方を含むExcelファイルとしてダウンロードできます。または、すべてのモデルの実験からすべての結果を取得するには、JSONファイルをダウンロードできます。

シミュレーションモデリングクラウドのサンプルビデオ (feat. Orville and Wilbur Wright)

WinterSim 2020のこのプレゼンテーションでは、AnyLogic CloudとAnyLogic Senior Customer Engineer Gregory Monakhovによるシミュレーションモデリングのライフサイクルについて学びます。これには、AnyLogic Cloud Development Teamの責任者であるAlexander Rakulenkoと聴講者とのQ&Aも含まれます。



シミュレーションモデルをクラウドに配置することを検討されている場合は、お問い合わせいただき、AnyLogic Private Cloudトライアル版をリクエストしていただければ幸いです。

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